アニメ『この素晴らしい世界に祝福を!』を観た

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アニメ『この素晴らしい世界に祝福を!』(このすば1期)を観た。何故今見たのかと言えば、流行の異世界ものをあまり知らないという焦燥的意識と、Amazon Musicで流れてきて良いと思った曲がこのすば2期ED曲であると知って得た興味と、めぐみんかわいい気になるという気持ちとが伏在していた上に、dアニメストアでなにか良いものがないかなと眺めていた時コメディジャンルの上位に『この素晴らしい世界に祝福を!』があるのを見つけたからである。なお、原作等は未履修の完全な初見。

第一話の前半で「これが異世界ものテンプレか」と感心し、それを崩していくところの勢いに持って行かれた。そして後半、早回し労働シーンでこの作品の世界観が一挙に示される。そこを早回ししてしまうのかと少し残念にも思えたが、綺麗な導入であった。女神様が普通に好い人だなと思えた。

めぐみんの加入。「めぐみんって本名だったのか」とまず驚く。詠唱の文言はやはりかっこよくて良い(私がめぐみんに興味を惹かれたのは、ネットのどこかでこの詠唱文を見かけたからである)。

女騎士さんの加入。お茶の間で見られなくなるのでやめてください……。

10話でOPが無かったので、ここから3話かけてシリアスなバトルをするのかと思いきや、10話で終了し少しおどろく(11話はたぶん特典かなんかでついたんだろうなってわかる別時系列のエロ回だった)。

総じてみると、第一に題名の「素晴らしい世界」にとても納得できる物語なのがよかった。エロ要素が少し前面に出ているのも、こういう世界観なら逆に健全。戦いの物語ではなく、世界に生きる人間の物語なのだから。お色気があるものの、主人公とヒロインたちとの関係に恋愛の雰囲気はほぼなく、純粋に仲間であるのも爽やか。恋ではなく生物としての本能に先導されて性的なことをしているぶん、このほうがえっちなのではとも思った。学園ものでハーレムをやるなら主人公の近くにいる子には恋愛感情がないと難しそうだが、こういうゲーム的世界のパーティメンバーという生存のための少人数の共同体ならばこういう関係性になれるのだろうとの発見あり。

また、技法として面白い点として、「知らない回想」が出てくるところがあった。主人公が「久しぶり」と言って会う相手が視聴者からすると知らない人なのである。ここで、回想が入り「この人は○○と言って、△△△のときに出会った」と言った説明がなされる。尺の問題で原作のエピソードをカットしたための処置なのだろうが、隠す気のない潔さがおもしろかった。「知らない回想」というと最近観たカブトボーグが思い出されるが、真面目な使い方もあるのだと感心した。今期観ているマギレコアニメ2期では展開や設定の変更を駆使して原作の大幅なカットを計っている(と推測している)ので、ここまでシンプルにカットすることも可能であるのか、と。「一方ロシアは鉛筆を使った」みたいな話。

なんの憂いもなく楽しく観られたので続きも観ていきたい。インターネットをやめて芸術を摂取しよう。(この異世界、インターネットがなくて供に酒を飲む身近な物理的範囲で話が済んでいる点でまず素晴らしいように思える。懐古かもしれないが。)



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