対訳RFCの良さ

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IETF(Internet Engineering Task Force)の出すRFC(Request for Comments)という文書群があります。ここには、インターネット関連のさまざまな規格などが示されています。「インターネット」の一次資料にあたるものですから、IT屋さんとしては読む必要があったり勉強のために読んだりという対象なのですが、当然ながら英語です。とはいえ、重要なものの多くは和訳を公開してくださっている方がいます。そういう知識はあったので、昨日機会があってRFCを参照したくなったとき、「RFC 和訳」で検索してみました。すると、以前ならば古いいくつかのサイトが出てくるはずでしたが、見慣れないサイトが出てきました。Mako(@tex2e)さんによるRFC日本語訳一覧です。

このサイトは、リポジトリのページ(tex2e/rfc-translater: RFCを翻訳するツール群 & 翻訳済みRFCサイト)によれば、

目的

  1. RFCの英語を読むのが辛いので、Google翻訳した文を横に並べたものを読みたい。 RFCの日本語訳リンク集では原文と日本語訳が別々のページになっていて、日本語訳が正しいのか判断しにくい問題がある
  2. RFCの本文は改行されているので、改行を削除した上でGoogle翻訳に貼り付けないと正しく翻訳されない。改行を削除する煩わしさを解決する

という目的で作られています。

例えば、IPv6の定義であるRFC8200であれば、こんなふうに表示してくれます。左側に英語原文、右側に日本語訳、という所謂「対訳」の形式です。

技術文書でこの対訳の形になっているものは見たことがありませんでしたが、とても便利に思えました。というのも、私も日本の中等教育を受けていますから、英文は時間さえかければ読むことができます。しかし、「必要な情報がどこにあるかを見つけること」の日本語(母語)と英語での効率の差は非常に大きいのです。和訳があると嬉しいですが、誤訳があると困ってしまいます。特に機械翻訳の場合は「英語で読んだ方がまし」ということになりがちです。そこで、正確な訳が期待できない場合の妥協的な解として、「情報を探す」のは日本語で、「正確な情報を得る」のは原語でできると良い、というのがあります。それを実現してくれているのが他ならぬこのサイトなのでした。

以上、機械翻訳が完全ではないこの時代、更新頻度や重要度、やる人がいないなどの理由で人手の翻訳ができないドキュメントの提供方法として、この「機械翻訳による対訳形式」はいいな、と思った話でした。



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